2017年6月に、消費者庁は、「平成29年度消費者白書(※1)」を国会に提出しました。今年度の特集テーマとして、若者の消費動向について分析がされています。
この特集では、年代別の商品やサービスを選ぶときの知識・情報入手先を調査していますが、20歳代を中心とした若者のほとんどがインターネットから情報を入手しており、SNSの利用にいたっては、他の年代に比べて顕著に高いという結果がみられました。
そうしたインターネットが浸透している世代だからでしょうか、商品の購入やサービスの利用でトラブルに遭った際、最初に「インターネットを検索して参考になる情報を探す」という回答が、10歳代後半で70.0%(平均は49.0%)と高い割合となっています。
主体的に情報を収集し解決に至っている若者がいる一方で、残念ながら、インターネット上の情報がすべて正確とは限らず、解決できていないというケースもあるようです。消費者トラブルの解決にあたっては、インターネット上の情報だけに頼らず、信頼できる周囲の大人に相談してみるということも大切です。
また、周囲にはなかなか打ち明けづらいということもあると思いますので、消費生活センター等の公的な相談窓口に連絡してみるという方法もあります。
もともと、消費者庁では、平成22年から、身近な消費生活相談窓口を案内する全国共通の電話番号「消費者ホットライン」を提供していましたが、よりアクセスしやすいようにと、局番なしの3桁の電話番号「消費者ホットライン【188】」による案内を開始しました。(※2)
この、「消費者ホットライン【188】」ですが、昨年度の「消費者意識基本調査」(※3)によると、認知度が3.3%、10歳代では、2.0%と大変低く、さらなる周知が課題となっています。
しかしながら、消費生活相談の課題は、実は受付時間にもあるように思われます。188に電話をかけても、消費生活センターにつながる曜日・時間のほとんどが平日の日中で、夜間や土日の受付をしていません。そのため、土日祝日の受付を国民生活センターが行っていますが、受付時間は10時から16時の間のみとなっています。
若者に限らず、消費者のライフスタイルは多様化しています。いざ相談しようとしたときに受付時間が終わってしまっていて相談する機会を逸してしまうということもあるかと思います。
そのため、今後は、3桁の番号「188」の周知に加え、相談体制(受付時間や曜日などの見直し、受付時間外のガイダンスによる情報提供など)の強化が求められているのではないでしょうか。また、相談手法についても、一部メールでの受付もされているようですが、SNSやチャット等を活用するなど、若者に向けた新たな施策が期待されます。