「消費者の声や実態がはたして政策に反映されているのか、豊かな消費社会の実現をともに考えたい」という思いで2015年7月に「消費者のみらいを考える会(略称「みらい」)」を設立した三谷英弘代表理事。団体設立に至った経緯や、これからの活動について語ります。
Q:なぜ、消費者団体を設立しようと思ったのですか?
三谷: 一般的な消費者というのは、さまざまな手段で情報を入手・活用し、自分に合う商品やサービスを選択するという行為を、毎日ごく当たり前に行っています。つまり、消費者の多くは既に自己責任にもとづき主体的に消費活動を行っているわけです。しかしながら、自ら立法過程に携わらせて頂く中で、そうした自立した消費者層の声がなかなか政策議論の場に届いていないことを実感しました。だからこそ、自立した消費者を支援することと、自立した消費者を育てることを目的の中心にすえて「みらい」を設立いたしました。
Q:他の消費者団体との関係をどう考えていますか?
三谷: 適正な消費者政策を実現するためには、既存の消費者団体が行っていらっしゃる被害者の救済と被害予防を目的とした活動は必要不可欠なものだと考えています。真の消費者市民社会を形成するために、「みらい」は、モニター制度を設け、「調査」を通じたさまざまな消費者の声をお伝えしていきたいと思います。また、必要があれば、他の消費者団体にも協力をさせていただきたいと思います。
Q:三谷さんは弁護士でもありますが、適格消費者団体の認定を取る予定はありますか?
三谷: 「みらい」の考える使命は、被害にあっている消費者を救済するというより、消費者の多様な声を発信するというものですから、現時点で「みらい」が適格消費者団体として申請するということは考えていません。
Q:消費者関連政策について、現在の最大の課題は何でしょうか?
三谷: 政策にはできるだけ多様な消費者の声が反映されるべきだと思っていますが、現状は満足できるレベルではないと思っています。大多数の消費者の意見が反映できる仕組みを作ること自体が最大の課題だと思っています。
Q:特に取り組んでいきたい分野はありますか?
三谷: 特定の分野にとらわれず、今までなかなか取り上げられてこなかったような声なき声に耳を傾けられるような活動であれば、意欲的に活動していきたいと思います。
Q:消費者相談も受けるのですか?
三谷: 既に行政や既存の消費者団体が運営する相談窓口が多数存在していますから、そちらの周知をお手伝いするに留めたいと考えています。しかしながら、自立した消費者が少しでも増えていくような啓発活動には力を入れていくべきだと考えています。
Q:啓発ということであれば、消費者教育についてお考えがあればお聞かせください。
三谷: 消費者教育はやっと学校教育に組み込まれるようになりましたが、そもそも私たちは一生消費者であるわけです。年齢を問わず、皆が自立した消費者となるべく体系的に学んでいく必要があると思っています。非力ですが、自立した消費者になろうとする方々に対して、学ぶ機会を創出して、お手伝いしていけたらと思っています。
Q:団体の活動資金はどのように賄われていますか?
三谷: そもそもたくさんの資金を必要とする活動は行っていませんが、現在は賛同いただいている方々からの寄付も頼りに運営しています。一般消費者の方については、「寄付」という参加の仕方以外にも「サポーター」という形で協力いただくという制度も設けています。
Q:サポーターとは何ですか。
三谷: リサーチへの協力や、将来的には、新商品やサービス等を利用して感想を共有していただくことなどを考えています。無料で登録ができますので、今までこの種の活動に全く参加しておらず、大変そうだなと感じて控えていらっしゃった多くの「普通」の消費者の皆さんに気軽に参加して欲しいと思っています。
「みらい」サポーター募集のご案内
一般社団法人消費者のみらいを考える会
代表理事 三谷 英弘
弁護士・前衆議院議員
東京大学法学部及びワシントン大学ロースクール(IP LL.M)卒業。平成13年から弁護士(第二東京弁護士会所属)、現在までTMI総合法律事務所所属。主な業務分野は知的財産権(IT及びエンターテインメント産業)。その後、中央大学法学部兼任講師(担当科目はエンタテインメント法)、サンフランシスコのVIZ Media(マンガ出版社)勤務を経験、平成24年12月の第46回衆院選にてみんなの党として初当選(東京ブロック)。
衆議院議員在職中は経済産業委、安全保障委、消費者特別委、憲法審査会等に所属。みんなの党の倫理委員長も務める。みんなの党解党後、平成26年12月の第47回衆院選では無所属で立候補(東京都第5区)、落選。平成27年7月に一般社団法人消費者のみらいを考える会を設立、代表理事就任。